住宅基礎用語

・ベタ基礎

建物を支える下部構造で、建物の底部のコンクリートがすき間なく連続し、基礎の底部が一枚の板状になっている基礎のこと。地盤に施工された鉄筋コンクリート面全体で建物を支える構造になっているため、地震や台風などの衝撃を効果的に地盤へ逃がすことが可能。地面をコンクリートで覆うのでシロアリを防いだり、地面からの水蒸気を防ぐ効果もある。

・布基礎

建築物を支える逆T型をした基礎の一種で、もっとも一般的な基礎のこと。通常、地盤の強度や、住宅の規模、構造などにより、どのような基礎にするかを決めるが、木造建築で2階建て程度の規模の建築物で、もっとも多く採用されているのが布基礎である。鉄筋の入れ方や、逆T型のサイズなどについては、建築基準法などで細かい規定がある。

・地盤調査

敷地の地盤がどの様な状態かを調べる試験。主に地層の配列や土の密度、地下水などを調べ、住宅の構造などを決めます。

・地盤改良

軟弱地盤の支持力を高めること。住宅に対して地盤の地耐力が足らない場合や、ぬかるんだ地盤の時に行なわれる地盤補強工事です。

・遣り方

建物の外周部から、約50〜100センチ程離した所に木杭を差し込み、オートレベルやレーザーレベルなどを使い、GLから50〜70センチ上がった場所で平行に、9センチ程の幅の貫き板と呼ばれる板で、建物の周りに囲いを作ることです。建物の配置を、貫き板の部分に移し印を出します。非常に重要な作業です。
(基礎業者により高さや囲いの距離が違う場合があります。)
木杭、釘などの端材(ゴミ)の出ない鋼製遣り方セットもあります。 

・根切り(掘り方)

建物の外周部・内周部を油圧ショベル(ユンボ)などを使い、地盤をGLより掘り下げ、平らに仕上げることです。ハウスメーカーによって様々な工法があります。

・GL(グランドライン)

GLとは住宅の基準となる高さです。全ての基礎工事の高さの基準はGLから考えられ施工されます。GLは主に敷地の土の高さになります。

・砕石

住宅の基礎工事で使われる砕石は、0〜40ミリほどの大きさの、山から取れる岩盤を崩した石が一般的です。砕石の色は青系統の物から、茶系統の物まで様々です。採石場の地域事に色が若干違うようです。

・再生砕石(RC)

コンクリートを砕いた物です。資源の無駄がなく、自然を壊すことなく手に入るので非常にエコな材料と言えます。コスト的にも山砕石に比べ半値程なので、非常にリーズナブルです。

・生コン(レディミクスコンクリート)

セメント・砂・砕石・水で出来ている流動性の物です。

・生コン配合

生コン1立方メートル当たりに使う量を基準とします。生コンの呼び強度(ニュートン)をN/m?で表し、生コンのスランプ(硬さ)をcmで表し、生コンの粗骨材の最大寸法をmmで表します。

・温度補正

生コンの配合を変更し、生コンを凍らせないために行う配合変更

・ポンプ車

生コンを型枠の中に流し込む時に使用する車です。ポンプ車には配管が取り付けられていて、生コンがその配管を通り、型枠などに流し込まれます。迅速な生コン工事可能です。

・異形鉄筋

建物の構造用材料のひとつで、鉄製の棒を圧延して表面にリブや節と呼ぶ凹凸の突起を設けた棒状の鋼材。異形棒鋼(いけいぼうこう)ともいう。

ユニット鉄筋

鉄筋を溶接加工などで、長さ・ピッチ・形状を、工場で加工する鉄筋。安定した施工制度が期待できます。

・手組み鉄筋工法

手組み工法とは、全ての鉄筋を現場の職人さんが加工を行い、組み上げる工法。ユニット鉄筋ほどの安定した施工は期待できませんが、ジョイント部分や無駄な補強鉄筋が少なくすむ。ただし施工が非常に難しいので、良い職人さんでなくては難しいでしょう。

・JIS(日本工業規格)

工業標準化法に基づいて制定される標準。鉱工業品の品質・生産能率の増進・生産の合理化・取引の公正化・使用・消費の合理化を図る等を目的とし、鉱工業の種類・形式・寸法・構造・品質等の要素・鉱工業品の生産・設計・使用方法等の方法、若しくは試験・検査等の方法などを規定するもの。

・スペーサー(サイコロ)

スペーサーは様々な種類がありますが、基本的用途は鉄筋の被り厚を確保するために使われます。一般の住宅基礎で使われるスペーサーは、サイコロ型のコンクリートで出来た物やプラスチック製の物を使います。大きさはハウスメーカーにより違いますが、5センチ〜10センチの物が多く使われています。現場であまった生コンを再利用してスペーサーを製作する型枠もあります。

・防湿シート

ビニールで出来た、厚み0.1ミリほどの透明なシートです。地面から上がる湿気を、住宅に上がらないようにするものです。シロアリの予防が出来るシートなどもあります。

・型枠

住宅基礎で使われる型枠は、鋼製枠(鉄板)・木製枠(木製の板)の2種類があります。

・剥離(ハクリ)材

鋼製枠や木製の型枠を使う際、生コンが型枠に付かないようにする油です。剥離材が付いていない型枠で生コン打ち込みを行うと、型枠の脱枠の際、コンクリートが型枠に付いてしまい、表面にざらつきが出る可能性があります。

・セパレーター(巾止め金具)

主に基礎幅の確保、鋼製枠を固定するために使われます。セパレーターを使う事によって、型枠のパンクを防ぎます。

・アンカーボルト

基礎と土台を連結させるボルトです。様々な種類があり、住宅基礎では主に12ミリ〜16ミリの物が使われています。専用のセット金具があります。

・ホールダウンアンカーボルト

基礎と柱を連結させるボルトです。専用のセット金具があります。

・天端レベラー

基礎天端を平らに仕上げる流動性の高いセメントです。専用の天端レベルを出す道具を使用するとさらに精度がよくなります。

・バイブレータ

生コンを締め固めるときに使われる機械です。主に生コンの中に含まれる遊離水や空気を外に出す効果があります。

・ジャンカ

粗骨材が多く集まってできた、空隙の多い不良部分。発生原因としては材料分離、締め固め不足、型枠からのセメントペースト漏れなどがあげられる。

・気泡

生コン打設時に締め固め不足により型枠との間に空気が残ること。気泡抜き専用の道具を使用すればきれいな仕上りになります。

・勝手口階段

基礎工事中に型枠を使用してコンクリートで造る。自重による陥落・肌別れを防止する専用の差し筋もある。その他ユニット式で置くだけで使用可能な物もある。

・肌別れ

玄関や勝手口階段の土間がコンクリートの自重で基礎本体と離れてしまう現象。肌別れを防止する道具を使用すればその現象を起こりにくくできる。

・基礎巾木仕上げ

モルタルによる刷毛引き仕上げが一般的。現在ではモルタル仕上げに代わりローラーで仕上る塗材のタイプも普及している。

・打ち継ぎ

ベースコンクリートを打設後に立ち上りコンクリートを打設する二度打ちの工程により、ベース部分と立ち上り部分に打ち継ぎができます。専用の道具を使用することでベースと立ち上りを一度で打設することができ、打ち継ぎの無い仕上りにすることもできます。

・被り厚さ

鉄筋がコンクリートに包まれる厚さ。建築基準法で必要な厚さが決められている。

・シート養生

ベース生コン・立ち上り生コン打ち込み後、ブルーシートや専用のシートを、生コンや型枠の上に掛ける、養生方法です。